体内での糖の働きとは?
前回の記事では、ファスティングの仕方について解説しました。ファスティングには色々な仕方があり、ファスティングをする前の準備や、終わった後の回復期間なども必要なことも分かりました。
本記事では、ファスティングにも関係する「体内での糖の働き」について解説したいと思います。
体内の糖とは?
体内の糖は、炭水化物から食物繊維を除いた部分を指し、糖質は、主にブドウ糖として、体や脳を動かすエネルギー源としての重要な栄養素で、多すぎても少なすぎても悪影響を及ぼします。糖質が不足すると、脳や神経への栄養が足りなくなり、判断力が落ちたり、注意力が低下したりします。また、糖質を全く摂らないと、筋肉量が減少し、疲れやすい、風邪をひきやすいなど、体の機能が低下してしまいます。
糖質の働きには次のようなものがあります。
エネルギー源:砂糖が小腸で消化酵素によってブドウ糖と果糖に分解され、血液中に吸収されます。このブドウ糖は肝臓で酵素の働きによって果糖もブドウ糖に変わり、血液によって全身の細胞に運ばれます。この全身に運ばれたブドウ糖が体や脳を動かすエネルギー源となります。
グリコーゲンとして貯蔵:余分なブドウ糖は筋肉や肝臓でグリコーゲンに変換されて、一時的に貯蔵されます。グリコーゲンの貯蔵量には限界があり、余分なグルコースは脂質となり、肝臓や脂肪組織に蓄えられます。
体温の維持:糖質は体温を保つ役割もあります。
糖質は、多すぎても少なすぎても悪影響を及ぼします。糖質が不足するとエネルギーが足りなくなり、疲れやすさや集中力の低下などが起こります。また、過剰に摂りすぎると体内で余った糖質が中性脂肪として蓄えられ、肥満や生活習慣病の原因となります。
糖質の種類
糖質は体や脳になくてはならないエネルギー源で、体内で消化吸収されてブドウ糖となり、筋肉や脳のエネルギー源として使われます。
糖質の吸収速度は、糖の数によって異なります。単糖類や二糖類は小さいため消化が早く、一気に吸収されるので血糖値も急激に上がります。一方、多糖類は大きいため消化吸収するのに時間がかかり、血糖値は比較的ゆっくりと上がっていきます。
◆単糖類
単糖類とは、炭水化物の最小の単位で、糖質(炭水化物)を構成する糖類の1種です。ブドウ糖(グルコース)や果糖(フルクトース)などが単糖類に該当します。
単糖類は、加水分解によりこれより簡単な分子に分解されない糖類で、水によく溶けて甘味を示すものが多いです。
グルコース(ブドウ糖):穀類や果物などに多く含まれ、自然界に一番多く存在する単糖類で、脳のエネルギーとして利用できる唯一の物質です。
フルクトース(果糖):果物や蜂蜜などに多く含まれています。フルクトースは強い甘味として使われることが多いですが、体内では肝細胞内でグルコースの誘導体に変えられ、グルコースと同じような経路で代謝されます。
◆二糖類
二糖類は、2つの単糖類がグリコシド結合した糖質です。加水分解すると単糖類を2分子生じます。ショ糖、乳糖、麦芽糖など、単糖が2つ繋がった種類です。
マルトース(麦芽糖):2個のグルコースで構成されています。天然には発芽種子に多く含まれ、麦芽水飴の主成分です。
スクロース(ショ糖):果糖とグルコースで構成されています。上白糖などの砂糖の主成分で、天然にはサトウキビやビート、花蜜などに存在します。
ラクトース(乳糖):グルコースとガラクトースで構成されています。天然には牛乳など哺乳類の乳汁に多く含まれ、乳酸菌の栄養源にもなります。
◆少糖類
少糖類とは、炭水化物の一種で、単糖類が2~10個程度結合した糖類の総称です。オリゴ糖とも呼ばれ、単糖類の数によって二糖類、三糖類などと呼ばれます。
少糖類の特徴:砂糖よりもカロリーが低い
清涼飲料の甘味料として使われる
消化されにくいものは腸内細菌の栄養分となってビフィズス菌などを増やす
◆多糖類
多糖類とは、単糖が10個以上つながった糖類の総称です。ごはんやコーンスターチなどのでん粉は多糖類に分類されます。
多糖類を作る基本となる構成糖の多くはグルコースでできているため、構成糖が少糖類と同じだとしても、結合方法等により異なる効果を発揮するものが「多糖類」に分類されます。
そして、多糖類は甘くないのが特徴です。
まとめ
今回の記事では糖の働きや、糖質について解説しました。専門的な用語で少し複雑でしたね。
しかし、糖質は少なすぎても身体に不具合が出てきますし、多すぎても身体に蓄積されて良くない。と言うことは知っていただけたのではないでしょうか。
でも、食べ過ぎないようにと食事制限するのもつらいこともありますよね。そんなときは「低糖質」の食べ物があります。
次回の記事では、「糖質制限」について解説したいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!